サーキュラーエコノミー(循環経済)は、リニアエコノミーとどこが異なり、3Rの拡大とは違うのか。
最近サーキュラーエコノミーが話題になることも増え、企業もサーキュラーエコノミーの活動を公表し始めています。しかし、これまでの資源循環の活動と、どのように異なるかが判らないものも多いと思います。ISO DIS 59004「サーキュラーエコノミー―用語、原則、実装のためのガイダンス」ではサーキュラーエコノミーの定義は、「持続可能な開発に貢献しながら、その価値を回収、保持、または付加することによって資源の循環の流れを維持するための体系的なアプローチを使用する経済システム」と記されています。
また、注記として、「持続可能な開発の観点からは、経済システムからの排出と損失を最小限に抑えるために、未使用資源の流入を可能な限り低く抑え、資源の循環の流れを可能な限り閉じた状態に保ちます。」と記されています。
いくつかの場で、サーキュラーエコノミーとは何かの議論を進めてきた中で、私なりの考えも纏まってきました。あくまで私見ですが示すと共に、日本が循環経済社会に移行していくために求められる行動を示したいと思います。
次の3点がサーキュラーエコノミーに求められる重要なポイントです。
・資源価値を高めるまたは維持する
・新規投入資源の利用量を削減する
・資源価値の向上が経済的にも有効になる
・活動全体での温室効果ガスの排出低減
この点が従来の資源循環の取り組みとは異なります。リニアエコノミーは資源採掘から廃棄までが一本道ですが、図の右側に示した「リサイクル」は様々なものがありますが、これまでは多くが資源価値を高めるレベルには至っていません。多くが廃棄物削減の領域を出ていないでしょう。
図. サーキュラーエコノミーの重要な領域
図に「資源価値を高められる可能性がある活動」と示した部分が重要になります。
まだまだ多くの課題はありますが、確実に進められている事例も見受けられます。これまでのリサイクル重視から、下記が重視されることが望まれます。
①新規資源投入を減らすために再生材・再生部品・再生製品を使うこと
②資源価値を高めるためには、再生材と再生製品アップグレードを
③製品設計では使用済み後のための設計よりも、再生材・再生部品を多く使用するための設計を
④製品評価はリサイクル設計性ではなく、新規投入資源の使用率を評価する
⑤新規投入資源の使用率が少ない製品が優先される市場
上記に関して、課題と解決策の案については、すでに進められている事例紹介と共に別の機会に紹介させて頂ければと思います。
なお、これまでの3Rの活動が否定されるではなく、これまで以上に進めなければならない3Rの活動もあることは言うまでもありません。